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がんや感染症の治療にフォーカスした革新的な研究開発

真性多血症(PV)に対するP1101第3相試験

背景

世界保健機関(WHO)の分類では、骨髄増殖性腫瘍(myeloproliferative neoplasms: MPN)には慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia: CML)、慢性好中球性白血病(chronic neutrophilic leukemia: CNL)、真性多血症(Polycythemia Vera: PV)、原発性骨髄線維症(primary myelofibrosis: PMF)、本態性血小板血症(essential thrombocythemia: ET)等の疾患が含まれます。真性多血症は骨髄の造血細胞の異常により、赤血球が過剰に産生される希少性の慢性疾患です。PVは、血液検査の際にヘモグロビン量、ヘマトクリット値が高いことで見つかる場合があり、血小板や白血球数の上昇ならびに脾臓の肥大(脾腫あるいは巨脾症)を伴います。PVの原因は完全には解明されていませんが、遺伝子変異によって発症すると考えられています。ほぼ全てのPV患者で造血細胞中のヤーヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子に「JAK2 V617F」と称される変異が生じ、著しい血球産生の増加が認められることが知られています。

PVはどの年齢でも発症しますが、60歳以上の成人に多く認められます。症状は様々で、頭痛、疲労、脱力感、不動性めまい、胃腸障害及び皮膚掻痒感等、特定のものはありません。また、血栓形成は生命にかかわる重要な臓器の血流を止めてしまうリスクがあります。

PV治療は年齢や喫煙、高血圧、糖尿病等の危険因子の有無を考慮して行い、症状の緩和、血栓形成の予防、疾患進行の緩徐化に焦点をあてます。治療を行わない場合、PVは生命をおびやかす可能性がある疾患ですが、予後は一般に良好です。瀉血、抗血小板療法、細胞減少療法などにより病気をコントロールできる可能性があります。一部の症例では骨髄線維症や急性白血病など、さらに重篤な血液がんに進行するリスクがあります。適切な治療計画により、徴候、症状、本疾患の合併症を緩和することができます。

アンメット・メディカル・ニーズ

現在、本疾患を根本的に治癒する方法はありません。現在可能な治療法には、瀉血、抗血小板療法、リスク因子の管理、細胞減少療法(ヒドロキシカルバミドやペグ化インターフェロン)、分子標的治療薬等があります。現在の治療法に良好な反応を示す患者もいますが、低リスク及び高リスク患者に対して、忍容性が良好で有効な治療法は十分ではありません。したがって、依然としてPVにおける治療改善及び症状管理に関するアンメット・メディカル・ニーズが存在します。

臨床試験の動機

高リスク患者への細胞減少療法の第一選択薬は、ヒドロキシカルバミドとインターフェロンです。ヒドロキシカルバミドは何十年にもわたって使用されてきた化学療法剤ですが、一部の試験ではPVが急性骨髄性白血病に移行するリスクを高める可能性が示唆されています。インターフェロンはヒドロキシカルバミドと同程度に有効ですが、従来型インターフェロンは、インフルエンザ様症状、自己免疫疾患、うつ症状などの副作用が起こりやすく忍容性に問題があったほか、週に3~5回の注射が必要でした。一方、近年開発されたペグ化インターフェロン(長時間作用型インターフェロン)は毎週又は隔週に1回の投与頻度で忍容性も良好であるため、治療反応性の向上をもたらしました。さらに、一部の患者では疾患による負荷が著しく軽減されました。これは、ヒドロキシカルバミドによる治療ではみられなかったことです。これらのことから、Ropeginterferon alfa-2b (P1101)は、病態を改善できる可能性があります。実際に、P1101によるPVの治療において優れた結果が示され、2016年と2017年の米国血液学会(American Society of Hematology)で報告されています。

参考