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がんや感染症の治療にフォーカスした革新的な研究開発

HBe抗原陽性慢性B型肝炎ウイルス感染患者に対するP1101の第3相試験 (A17-301)

背景

世界保健機関(WHO)の推計ではB型肝炎ウイルス(HBV)感染者は世界中で2億人、持続感染者は3億5千万人であり、年間約50万人がHBV感染による疾患で死亡していると考えられています。HBVは外被(エンベロープ)とコアに包まれた、逆転写によって複製するDNAウイルスです。DNAの配列比較に基づいて、HBVは8つの遺伝子型(A-H)に分類され、各遺伝子型には明確な地理的分布があります。遺伝子型Aは欧州、米国、アフリカ、フィリピンを含む東南アジアでよくみられます。遺伝子型BおよびCは日本、台湾、中国を含むアジアに優勢であり、遺伝子型Dは地中海地域、中東、インドに多く、遺伝子型Eは西アフリカで認められ、遺伝子型F(又はH)は中南米、遺伝子型Gはフランス、ドイツ等にみられます。HBVは主として、感染者の体液を介して、または母子間の垂直感染により感染し、一過性または持続性感染に移行します。その後、ウイルス増殖と感染者の免疫バランスにより、免疫寛容期、免疫応答期、低増殖期、寛解期に移行し、一部では再活性化する場合もあります。必ずしも全感染者がすべての段階を経るわけではなく、各段階の長さは人によって異なります。アジア、アフリカ、中東地域における慢性HBV感染は肝硬変及び肝細胞がん(HCC)の主な原因となっています。

アンメット・メディカル・ニーズ

慢性HBV感染の有病率は世界の様々な地域で大きく異なっています。台湾では、HBVの有病率は10~15%で、約250~300万人の感染者がいます。米国では約110万人、日本国内では約100万人の感染者がいると考えられています。現在のガイドライン(B型肝炎治療ガイドライン、第3版、日本肝臓学会肝炎治療ガイドライン作成委員会編、2017年8月)では、治療の長期目標はHBs抗原消失、短期目標としてALT正常化、HBe*抗原陰性かつHBe抗体陽性、HBV DNA増殖抑制の3項目とされています。HBVは肝細胞に感染すると不完全二本鎖の環状 DNA遺伝子が完全二本鎖の環状DNA(covalently closed circular DNA; cccDNA)の形態で核内にプールされます。この cccDNAは構造的に極めて安定であり、長期に核内に残存するためHBVは完全排除が望めません。現在、ペグ化インターフェロンα及び核酸アナログ製剤(ラミブジン、テルビブジン、エンテカビル、アデホビル、テノホビル)など保険適用となっています。核酸アナログ薬その抗ウイルス左葉で良好なコントロールが可能となりますが、HBV cccDNAを排除することができません。核酸アナログ製剤は経口薬であり簡便に使用でき、その抗ウイルス左葉で良好なコントロールが可能となりますが、HBV cccDNAを排除することができません。したがって、投薬中止による再発が高いという問題もあります。

臨床試験の動機

HBe抗原陽性患者において、HBe抗原陰性となるセロコンバージョンは重要です。複数の試験において、ペグ化インターフェロンαは低率ですが、血中HBe抗原の陰性化を達成できることが示されています。Ropeginterferon alfa-2b(P1101)は新規のモノペグ化遺伝子組み換えプロリン・インターフェロンα-2bであり、既存のペグ化インターフェロン製剤より長時間にわたり血液中を循環します。台湾で実施した第2相試験において、P1101の隔週投与は、既存のペグ化インターフェロンα製剤の毎週投与と比較して、長期間の作用の持続と高いセロコンバージョンの達成が可能であることが示されました。最近、抗ウイルス療法の有効性を評価する複数のバイオマーカーが特定されています。適切な対照薬を設定して充分に管理された臨床試験においてこのようなバイオマーカーとP1101によるHBe抗原陰性化との関係を調べることにより、バイオマーカーによる有効患者集団の特定が可能になると考えられます。

* HBe抗原:HBV粒子の外被(エンベロープ)の表面抗原

参考